月鬼~初節・天宮真人の場合~
あーん…あーん…
ー小さい女の子の泣き声がする、、、僕は必死にその声のする方へ駆け
泣いている子を探した。
そうして、滑り台の影にその声の主が蹲りひくひくと泣きじゃくっている…
僕はその子の頭を撫で言う
「泣かないで…僕が居るよ、、、ずっと傍にいるよ…」
すると僕の方をじっと見つめニコリと愛らしい笑顔を覗かせる
曖昧な小さい頃の記憶の中その笑顔は鮮明に覚えている、、、、、
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ーピンポーン
朝の忙しい時間…登校の邪魔をするようにインターフォンが鳴る
「はーーい!今、でるんで少しお待ちくださいっつ!!」
急いで寝巻きから私服に着替えドアを開ける…
するとそこには朝から黒いスーツを着たガタイの良い男性が立っていた
首を傾げる…記憶の中にこの男の顔は無い。ということは勧誘か?
それにしてては時間帯や服装もそれらしいものではない…
「初めまして、天宮 真人(アマミヤ マコト)様…月輝夜(カグヤ)家からの使いで参りました相模(サガミ)と申します。貴方を5人目の選帝者候補としておむかいに参りました。」
「…は???」
すると男が持っている鞄から紙を取りだし目の前に突き出す
そこにはよくわからない内容の文章が並べられ最後に見たことある
筆記で署名・捺印がなされていた。
―18歳になった時選帝候補者において天宮真人が選ばれた場合
月輝夜家にその者身を預けることを約束する…
天宮 正治
…これは2年前に死んだ…父の字だ、、、
「どうゆうことですか…? 僕は父から何もきいていないし…選帝候補者なんてものも聞いたことがないんですが」
すると相模…と名乗る男は黒に染まった外車へ手を向け
「詳細は車内の中で…」
そう僕に不気味に微笑みかけた、、、、、、、、、、
選ぶことが出来る行動は2つ…このまま逃げるか進むか…
だが父が書いたような書類が気になり危険と感知しつつも後者を選ぶことにした。
これが自分の記憶と人生を変えるものだとも知らずに…
一歩一歩車に向かうに連れ首筋が冷えていく、、、、、、、、、
くすくすくす…少女の笑う声が聞こえたような気がした。
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